官民一体となった取り組みによって魅力を増す狛江市

●狛江市役所
世田谷区と一体化した街並みが続く、東京でもっとも小さな自治体である狛江市。都心近接の立地環境のため、現在では多くの住民が住む東京近郊の住宅街として成長を遂げている。
東京都心に近いため、利便性のとても高い点が大きな魅力となっているが、そんな恵まれた立地環境ゆえ都心に目が向きがちな住民が多く、市としての独自性を失うことにつながる恐れもある。そんな危機意識から狛江市では官民一体となっての文化的で魅力的なまちづくりに力を入れているのだ。

●狛江エコルマホール
狛江市では現在、「音楽の街」としての顔を持とうとしている。“あらゆる市民が気軽に参加でき、市民同士のふれあいを深める機会や場所を提供すること”を目的に、音楽をまちづくりの核のひとつとして捉えているのだ。
元々狛江市ではお囃子や獅子舞などの郷土芸能が受け継がれていた歴史がある。また最近では、例えば「Mr.Children」のメンバーの多くが狛江出身であるなど、音楽方面にも多くの人材を輩出しており、音楽が身近にある街だったと言える。
こんな事情を背景として、狛江市では2006年に「音楽の街」構想を策定、まちづくりに向けての5つのアプローチを発表している。そこでは“高度な水準の芸術に市民が気楽に触れられる機会の提供”“児童・生徒の音楽活動の推進”“若手・新人の音楽家に対する活動の場の提供”などが提唱されている。
ここ最近では、狛江市役所のロビーや狛江駅北口の噴水前広場などがライブ会場として提供されており、特に駅前ライブは若手ミュージシャンへの活動の場の提供として機能している。
また施設的にも充実しつつある。そのひとつである、狛江駅前にある「狛江エコルマホール」は音楽の街・狛江を象徴するような音楽ホールである。館内には728席のホールがあり、狛江の音楽活動の中心として機能している。

●「猪方お祭り」で山車を引くコマレンジャー
このほかにも、狛江市では独自性の強いさまざまな取り組みが行われている。
例えば、「絵手紙」を通じたまちづくりを行っている点が特徴的である。絵手紙は狛江市民による絵手紙講習を発端に全国に広がり、この地が発祥の地となっている。2007年には市民によって「絵手紙発祥の地-狛江」実行委員会が設立され、「絵手紙マップ」の配布や「親子絵手紙体験教室」の開催、コミュニティバス・こまバスの車内で絵手紙を展示する「絵手紙美術館」など、さまざまな企画を行っている。
面白い試みなのが、「多摩川戦隊コマレンジャー」だ。これはもともとは個人のウェブサイト上で創作されたものだったが、2003年にはまちづくりの一環として狛江市の「ご当地ヒーロー」に認められた。
現在では市内の夏祭りや各種イベントに登場しており、子供たちの人気者として親しまれている。
このほかにも、自作のいかだによる「多摩川いかだレース(毎年7月中旬開催)」や、パレードや露店が繰り出す「市民まつり」などのさまざまなイベントが開催されており、住民の地元意識向上に貢献しているようだ。
音楽を中心としたさまざまな取り組みによって独自のまちづくりを進める狛江市。今後もその行方を見守っていきたい。
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