文人たちの面影を追う~根岸の里
俳句の枕詞としてしばしば使われる「根岸の里の侘び住まい」という言葉からも分かる通り、江戸時代の根岸周辺は、上野の山陰に音無川の清流のせせらぎが静かに響きわたるような静寂な趣深い場所だった。まわりに飛び交っていた鶯の鳴き声は耳に心地よく、あたり一面には農村の風景が広がっていた。そんな幽趣な世界に惹かれた文人や墨客たちが、隠棲するために多数集まってきたのが根岸という土地である。こちらでは、そんな文人たちに愛された根岸の里の世界について触れてみることにしよう。
洋画家であり、書家でもあった中村不折、文豪の夏目漱石、俳人の正岡子規など「根岸の里」を愛した文人は数多いが、その中でも正岡子規は、根岸を代表するひとりであると言ってもいいだろう。根岸周辺には、子規の句を記念碑にしたり、子規の句を印刷した張り紙がそこかしこに貼り出されている。街中に散らばっている子規の句を探しながら、散策をするというのもなかなか趣深いものがあるだろう。
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