ボワ・ド・ヴァンセンヌ

平成19年暮れのブーランジェリー「ボワ・ド・ヴァンセンヌ」の開店は、新旧多くの早稲田住人たちに諸手を挙げて歓迎された。新旧の“新”のほうに入るのは、「早稲田でおいしいパンを食べることができる」と喜ぶ人たち。そして“旧”のほうに入るのは「よくぞまた早稲田へ帰ってきてくれた!」と喜んでいる人たち。

そう、ボワ・ド・ヴァンセンヌは20年ほど前、いまと同じようにオーナーシェフの地元・早稲田でパンを製造販売していたのだ。
会社勤めからベーカリー経営へ転じたオーナーシェフは、パンづくりの奥深さに魅了され、機を得てフランスへ移住、現地で修行。2年後の帰国の際には、縁あって、水や空気の美しい岩手県盛岡市で新店舗をオープンした。

北の地で十数年親しまれたのち、懐かしい早稲田の地へ舞い戻り、フランスの伝統的なパンを提供する店・ボワ・ド・ヴァンセンヌを開店。以前からのなじみの人々はもちろん、遠方のパンフリークたちも噂を聞きつけ、足しげく通っているリピーターとなっているという。

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ボワ・ド・ヴァンセンヌが人気を集めている理由は「現地で食べられる味そのままのパン」「材料を厳選した安心できるパン」にある。フランス仕込みのパンは、本国の伝統にのっとり、生地を長時間発酵させてしっかりと焼き上げている。噛むほどに小麦粉の風味を楽しめる、食べごたえあるフランスパンだ。

また、パンの命ともいえる小麦粉には、国産の「南部小麦」を主体に使用。本来はパン向きではない小麦粉なのだが、「風味がよいですし、何より農薬の心配がないので、安心して召し上がっていただくためにも調合を工夫して使い続けています」とオーナーシェフは語る。

そんな安心・安全のボワ・ド・ヴァンセンヌで、気になるパンをいくつか購入してみる。まずは、小麦粉と塩・水・天然酵母のみで作られる「バゲット ルヴァン」。ボワ・ド・ヴァンセンヌが「パリの街角で売っているものと同じ味のするフランスパンです」と胸を張る、自慢のパンだ。

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オーナーシェフが現地で学んだ「生地をよく発酵させる」という伝統的な製法をかたくなに守り続けるバゲット ルヴァンは、しっとりとしたクラム(内側の生地)にパリッとしたクラスト(皮)のコントラストが印象的。酵母とする自家製サワー種ならではの軽い酸味が後を引くおいしさだ。サワー種は、フランスに渡る前からこの早稲田で使っていたものを掛け継ぎしつつ使っているのだとか。こちらも同店の“伝統の味”といえそうだ。

土曜以外はバゲット ルヴァンと入れ替わりに焼かれる「パン・ド・カンパーニュ」(火曜・木曜・土曜のみ製造)のやフランスパンのレシピが印刷された包み紙に入ったバゲットは、まさにフランスの街角でよく見られるアイテム。現地へ行ったことのある人ならば、バッグからのぞくその姿を懐かしく思う人も多いだろう。

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